区立幼稚園、小・中学校の更なる安全・安心について

 区立幼稚園、小・中学校のさらなる安全・安心についてご質問いたします。
警視庁の資料によると、学校、幼稚園で発生した刑法犯罪認知件数は、平成15年が4万6,700件に対し、27年は1万6,800件と減少傾向にあるものの、最近のニュースを見ていると、小さな子供たちに対する凶悪な犯罪や犯罪組織も含めた強盗殺人が発生している今日、学校にも、自分たちの安全は自分で守らなければならないという機運が高まってまいりました。暴漢に近づくことなく、警察官が到着するまでの間の時間を稼ぐ点で大変有効なことから、台東区内の小・中学校では、各教室に刺股と催涙スプレーを配備し、さらには、各学校に1台、網で犯罪者を捕まえるネットランチャーが配置されております。そのほかに、台東区の学校には非常110番というボタンが校内に1カ所以上設置されており、それを押すことで警察への連絡が可能となっております。
ただし、それだけでは事件発生とのタイムラグが発生するということで、最近のシステムとして緊急通報システムがございます。万が一のときにボタンを押すと、職員室のコントローラーが異常を表示すると同時に、廊下のフラッシュマルチサイレンが作動し、非常事態の発生を全校に知らせます。ワイヤレスタイプの腕時計型、ペンダント型などがあり、校庭やプールなど、どこにいても異常発生をすぐに職員室に連絡することが可能とのことです。
  次に、区内の全小学校に導入されている登下校メールシステムの安心でんしょばとについては、最初の学校が平成22年、運用開始しまして、最後に導入した学校でも既に5年が経過しております。今後、接触機器の劣化に伴う交換の必要性が出てくる中、IT技術の進歩によってGPS機能つきなど、時代のニーズに合わせたシステムも出てきております。平成27年第1回定例会において、所管より、登下校メールの成果や課題を検証し、また、ほかの事業者を研究した上で、重層的、総合的にいろいろな安全対策を講じていくと答弁がございましたので、新システムの検討は進めていただいていると思いますが、早期に結論を出すようにお願いいたします。
最後に、防犯カメラについては、27年度から4年間にわたって各学校の通学路に1台ずつ設置を進めていただいておりますが、各施設内に既に設置されている防犯カメラについては、機種が古くなっていて画像が粗いなど、何かあったときに使えないことがないように交換、更新をする必要がございます。子供たちの安全・安心を向上させるための製品、システムにつきましては、日進月歩進化しております。更新時期に来ている機器もあり、いま一度検討し、あらゆる点の緊急時に備え、配置、見直しをするべきかと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。
以上で、一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

 

◎教育長(矢下薫 さん) 青鹿議員の区立幼稚園、小・中学校のさらなる安全・安心についてのご質問にお答えさせていただきます。
学校、幼稚園におきましては、不審者侵入時の危機管理マニュアルを作成し、不審者が侵入してきたことを想定した訓練を警察の指導を受けながら行うとともに、侵入者対策のバリケードを設ける実技研修などを実施しております。
また、設備・機器等につきましては、必要に応じて修理、更新を行っており、昨年度には非常通報装置、学校110番を一斉更新したところでございます。議員のご指摘も踏まえ、引き続き設備・機器等の情報収集に努めるとともに、計画的な更新も視野に入れた整備を行うなど、学校、幼稚園等における安全・安心対策をさらに進めてまいります。