区内の生活衛生について(スズメバチ対策)

次に、区内の生活衛生についてご質問いたします。
ちょっと大きい話なんですが、気象庁によると、現在の地球は過去1,400年で最も暖かくなっており、この地球規模で気温や海水温が上昇し、氷河や氷床が縮小する現象、すなわち地球温暖化は、平均的な気温の上昇のみならず異常高温や大雨・干ばつの増加などのさまざまな気候の変化を伴っております。その影響は早い春の訪れなどによる生物活動の変化や水資源、農作物への影響など、自然生態系に既にあらわれております。そんな中、例年よりも暑かったことし、夏から秋にかけまして区内で私が大変気になったのが、ハクビシンとスズメバチになっております。
ハクビシンは、その名のとおり、額から鼻にかけて白い線があることが特徴で日本に生息する唯一のジャコウネコ科の哺乳類で外来種と考えられておりますが、国への移入時期の不確定さから駆除対象となっておりません。被害としては民家の屋根裏に住みつき、足音による騒音やふん尿による悪臭で生活被害をもたらすこともあるとのことで、10月の決算特別委員会でも説明がございましたが、最近、区内の電信柱などで見かけられ、天井裏や物置などに巣をつくられたケースが区内で5件あったと報告がありました。私自身も浅草寺裏でハクビシンを実際見かけております。ハクビシンを含む害獣についての苦情等はまだ区内では少ないとのことでしたので、今後実態調査をしてから対応を決定されていくと考えられますので、今回はスズメバチについてお伺いいたします。
蜂は気温が高いほど活動が活発になるため、温暖化に伴い活動期間が長くなっていると想定をされており、スズメバチも当然同様と考えられます。スズメバチは腹部に強烈な毒針を持っていて人間への攻撃性も非常に高いことから、スズメバチが活発になる7月から10月の時期には国内において毎年多数の刺傷事件のニュースを耳にいたします。年間に10人から20人程度の方が毎年スズメバチによって亡くなっており、これは国内では、熊、蛇、サメと比較してもはるかに多い数字と言えます。また、1度刺された人は2度目に注意が必要で、約10%の人が蜂毒に対して抗体ができて蜂アレルギー、アナフィラキシーになり、約2%の人は体が過剰に反応して血圧が下がり、命にかかわるショックを起こす危険があり、アナフィラキシーショックは蜂に刺されて数分以内に起きて、全身が赤くなったり、呼吸が苦しくなったり、血圧が下がるなど、いろいろな症状が起きる可能性もあり、大変危険な生物と考えられます。近年、蜂による被害が増加傾向にあるのは、温暖化に加え、これらのスズメバチが都会に適応し、人の生活圏近くに多く巣をつくるようになってきたことも大きな原因とのことです。とはいえ、凶暴かつ好戦的で積極的に刺してくることも多いことで知られているスズメバチですが、これは巣を守るためで、何もせずとも襲ってくるように見えるのは人間が巣の近くにいることに気づかないためと言われております。
台東区における蜂全体の相談件数は、平成26年度が90件、27年度に106件、そして、28年度は10月時点で116件と大変増加傾向にございます。そんな中、荒川区では、スズメバチについては、人の生活環境に影響を及ぼす生物として、民間施設でも区が無料で撤去をしており、年間で数十件を行っているとのことです。さらに23区の蜂の巣の撤去について確認をしたところ、全ての蜂を対象に撤去をしているのが2区、スズメバチの巣について条件なしで撤去をしているのが荒川区を含む5区、そしてスズメバチの巣を一定の条件で撤去しているのが8区、蜂については全く撤去を行っていない区が7区となっております。台東区において、基本的に民有地については所有者のほうで管理していただくのを原則とのことでした。とはいえ、刺された場合にアナフィラキシーショックなどを起こす可能性があるスズメバチの巣については、全ての民間施設についても区民から要望があれば積極的に撤去するべきと考えております。また、現在は台東区のホームページ上にスズメバチの特徴、対策、そして駆除方法の説明がございますが、さらにスズメバチとアシナガバチの見分け方や蜂が巣をつくりやすい場所、蜂に刺されたときの対処法など、蜂の防除対策について、さらに区民の皆様に啓発活動を行うべきと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。

議員ご指摘のとおり、蜂についての相談件数は、ここ数年増加傾向にあります。区では、区民の方から相談を受けた場合には、巣の形や飛び方等で蜂の種類を確認しています。特にスズメバチについては攻撃性があるため、迅速に現地調査等を実施しています。今後も区民に危険性があり、緊急的な対応が必要な場合には、民間施設についても巣の撤去を行うとともに、状況に応じて専門の事業者を紹介するなどの対応を行ってまいります。
また、蜂の防除対策の啓発については、区公式ホームページ等で行っていますが、さらにさまざまな機会を捉えて、区民の皆様に対する啓発を行ってまいります。
その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。