新産業を創出するための取り組みについて

つなぐプロジェクトの青鹿公男です。議員として初めての総括質問を区長と教育長にさせていただきます。
最初に、新産業を創出することの取り組みにつきまして、区長にご質問いたします。
台東区は、中小企業、小規模事業者が多く、人口減少や少子高齢化に起因する社会経済状況の変化による影響を受けやすいことから、中小企業の経営基盤の強化支援や雇用、そして就労支援、地域経済の活性化に向けた行政の取り組みはこれまで以上に重要となっております。区の景況調査では、製造業、卸売業、小売業ともに経営上の問題点として売り上げの停滞と減少を第一に上げており、依然として地域経済の支え役である区内中小企業の経営環境は厳しく、先行きが不透明な状況にあります。
台東区産業振興計画策定のための実態調査報告書によると、台東区内の事業所数は、平成8年当時、約3万1,000件に対し、26年には約2万4,000件と7,000件減少しており、減少率は非常に高くなっております。そこで働く従業員数についても、平成8年当時、約28万人だったのに対し、26年は約25万人と約3万人が減少しております。また台東区内の創業比率を見ると、平成13年から16年には3.4%から、16年から18年には5.5%に一時増加いたしましたが、18年から21年では2.2%に落ち込み、3年後の24年には1.6%まで下がっております。以上のように事業者数、従業員数が減って、さらに創業も落ち込んでいる状態を打破するためには、区としてもっと創業支援に力を注ぐ必要があり、その具体的な対応として、総合的に創業支援を行うインキュベーションHUBが重要となります。
インキュベーションHUBとは、新しいアイデアを持った創業者と高い技術力を有する中小ものづくり企業をつなぎ、創業者の思いを形にすることで、ものづくり分野の新規創業を推進させる事業のことと定義されております。東京都は平成25年よりインキュベーションHUB推進プロジェクト事業を創設し、平成28年度には都の設定テーマであるものづくり産業分野におけるインキュベーションHUBに対して、区内にあるインキュベーターが代表事業者として、また連携事業者にはデザイナーズビレッジのインキュベーションマネジャーの会社など、3社が名を連ねて提案しました東東京ものづくりHUB計画が承認をされております。支援対象事業には、ファッション系・ものづくり系創業セミナー、創業相談会、ものづくり企業とクリエーターのマッチング支援、アトリエ物件紹介、支援者スキルアップ講座、支援者のネットワーク化等がございまして、平成28年度から3カ年が支援期間となっております。
近年、ものづくりについては、生産のあり方が従来の大量生産から顧客に合わせた小ロット生産に移行していくと言われております。そのような時代に台東区は伝統工芸職人や高い専門分野の地場産業など、ほかにはない有益な財産を有しており、大きな可能性があると考えております。これまでは各区役所単位で地域内創業者を対象にした支援が行われてきましたが、インキュベーションHUBを活用し、支援者が連携を図ることで、地域を超えて創業者を支援する体制をつくることができ、それぞれの支援者の相乗効果を生み出すことが可能になります。さらには関心と目的意識を持った来街者が台東区に多く集まり、職人と交流する場面をふやし、直近ではエーラウンドのように区内の各地域やイベントの知名度を高め、継続的に台東区の各地域に人を呼べるようになります。
私は、このような東京都の広域的な取り組みを背景に、大いに連携、活用しながら、新産業の創出を図るなど、台東区産業のさらなる発展を図っていくべきかと考えますが、いかがでしょうか。区長の所見をお伺いさせていただきます。

○委員長 区長。

◎服部征夫 区長 青鹿委員のご質問にお答えいたします。
東京都の事業でありますインキュベーションHUB推進プロジェクト、これを活用した広域的な創業支援施設の連携による支援は大変重要な取り組みだと認識をしております。区としては、さまざまな業種で構成される本プロジェクトに対して、区内事業者に参加を働きかけ、その結果、新産業が創出されることを期待しております。今後プロジェクトの参加者と既存企業とのマッチングを区が行うことによって、本区産業の技術革新を加速させてまいります。また参加者へは資金融資の優遇制度や創業相談などを周知して、創業希望者の区内誘致に取り組み、本区産業を支える人材確保につなげてまいります。

○委員長 青鹿委員。

◆青鹿公男 委員 積極的な答弁ありがとうございました。
某フィルムメーカーがメーカーという殻を飛び出し、自分の持っている技術を時代のニーズに合わせて大躍進されたのは、マスコミやいろいろなところで報道されていたと思います。できましたら、ぜひ今まで以上に台東区が総力を挙げて創業支援のバックアップに取り組んでいただけるよう要望しまして、次の質問に移らせていただきます。