幼小中施設における感染症対策について

まず、学校等は感染症に対して十分な対策を講じる必要があることから、各学校園に対し、手洗い・うがいの励行、マスクや消毒液の配付、発生時の迅速な処理についての指導等を行っております。先月、感染性胃腸炎による学年閉鎖となった学校があったことを受け、校園長会におきまして、感染性胃腸炎に関する注意喚起と保健所の作成したパンフレットを配付し、改めて周知・徹底を図ったところでございます。また、各学校園におきましても、流行期には対応マニュアルの周知、教職員の役割分担や感染症の予防及び発生した場合の対処について確認を行っております。
次に、子供たちに対しては、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎等の感染症について、保健の授業や養護教諭の保健指導により、感染の仕組みや効果的な予防方法の理解を深めるとともに、規則正しい生活習慣を身につけられるよう指導しております。さらに、保健便り等を通じて、具体的な予防方法や規則正しい生活の大切さなどについて、家庭に対する啓発も行っております。
今後も学校等における感染症対策のさらなる充実に向け、保健所や医師会と連携を密にして、子供たちの安全・安心のための対策を一層推進してまいります。3点目は幼・小・中学校の感染症対策についてです。
秋から春先にかけまして、乳幼児や小学生、そしてご高齢の方等によく見られる病気の一つが嘔吐下痢症です。冬季の嘔吐下痢症の代表ウイルスとしてはノロウイルスやロタウイルスがございます。O157などの細菌性食中毒とウイルス性の嘔吐下痢症との大きな違いは、一つは時期にあります。細菌による場合は夏場が多く、ウイルスの場合は冬季に多いのが特徴となっております。集団で嘔吐下痢になる可能性が高いのがノロウイルスになっております。逆にロタウイルスは成長とともに免疫ができるため乳幼児が中心ですが、ノロウイルスは免疫ができないため子供から大人まで感染する範囲が広く、ノロウイルスのほうが影響度が大きくなります。
ノロウイルスは感染後の潜伏期間は数時間から数日であり、症状持続期間も十数時間から数日となっております。感染経路は、ウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を生あるいは不十分な加熱処理で食べた場合や感染した人が十分に手を洗わずに調理した食品を食べた場合などですが、学校等の施設で一番多いのは感染症の嘔吐物や便に接触した手や指を介しましてノロウイルスが口に入った場合や便や嘔吐物が乾燥して舞い上がり、ウイルスを口から取り込んだ場合などがあります。ノロウイルスは感染力が非常に強く、わずかな接触でも容易に感染をしてしまいます。予防方法としては、インフルエンザと全く違いワクチンもなく、その感染を予防することは容易ではありません。
直近では、区内の小学校において感染性胃腸炎が流行し、既に1校が学年閉鎖となった事例がありました。さらに、11月24日、東京都福祉保健局は、ノロウイルス等の感染性胃腸炎が警報基準を超え、今後の流行拡大に注意が必要と発表をしております。これまでも消毒液の配備や施設面においても各教室の床をじゅうたんから清潔を保つためにフローリング化するなど、感染症対策を進めていただいていることは大変評価しておりますが、近年、新型インフルエンザやデング熱など、子供たちを取り巻く感染症のリスクは高まっていると感じております。嘔吐下痢症ではないんですが、ことしの初めには小学校の教員が結核を発症する事例もございました。特に学校はこうした感染症が蔓延しやすい環境にあり、この場合において大切なことは、手洗い・うがいといった予防はもちろんのこと、発生した場合の消毒等の初期対応と思われます。そのためには、教職員や子供たちに感染症についての理解・啓発をしっかりと行い、対応力を備えること、そして、より有効な対処資器材をいつでも使えるように準備することが重要になります。
そこで、学校等における感染症対策について、教育長に3点お伺いいたします。
1点目としては、教育委員会として感染症対策についての学校への指導は現在でも行っていると伺っておりますが、各学校の実態把握に努めるとともに、教職員の感染症対策のスキルアップを図ることを支援していくことも重要と考えております。そこで、学校等における感染症対策はどのように行っているのでしょうか。
2点目として、学校等においては、手洗い・うがいを励行しておりますが、抵抗力の弱い子供たちに対し、感染症の予防についての理解・啓発を図ることも重要と考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。
3点目は、保健衛生に必要な物品につきましては、保健所からの指導に基づき、必要最低限な物品は各学校に配備されていると承知をしておりますが、現在では嘔吐物の処理に必要なキットやアルコールのpHを酸性に調整することによって、ノロウイルスだけでなく、インフルエンザも殺菌できる新たな消毒液も出ていると聞いておりますので、そうしたものを含め、子供たちの安心・安全のために、感染症対策のさらなる充実に努めるべきと考えますがいかがでしょうか。教育長の所見をお伺いいたします。
以上で、一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)