電子決済を活用した利便性向上について

28年度の決算特別委員会における総括質問を、10月は情報化月間ということですので、情報化を中心に質問をさせていただきます。
台東区の情報化推進計画によると、平成28年度のインターネットの普及率は84.7%と、平成21年度より6.5ポイント増加しております。全国平均よりやや高い状況となっているのがわかります。また、60歳以上の普及率が平成21年度は42.3%と、全国平均より低い状況でしたが、平成28年度には58.8%と全国平均を上回っております。60歳以上のインターネットの利用が、台東区ではより急速に広がっていることがわかります。利用頻度についても、ほぼ毎日利用している方が、郵送の調査では89.2%、ウエブの調査では97.9%となっており、区民生活にインターネットが普及していることがわかります。また、SNSの利用の割合は、平成22年の6.4%から平成27年には46.7%と急激に増加しており、この数年間の間にSNSが普及していることがわかります。同計画の区長の挨拶には、「躍進台東、新しい台東区」の実現のため、この機会を捉え、情報通信技術を効果的に活用することにより、地域活動を活性化し、区民生活を向上させることが重要であるとの記載がありますが、私も全く同意見であります。
区の情報システムにおいては、住民情報や税情報等を取り扱い、行政事務の基本となる基幹系業務システムのハードウエアをクラウドコンピューティングへ更新を進めているのが、決算の中でも大変よくわかりました。
台東区における電子申請化は、26年度の31申請から、28年度には倍の67申請と伸びており、それに伴う申請件数も26年度の1,887件から、28年度には3,084件となっており、区民の利便性が大変向上しているのがわかります。
それでは、ここから質問に入らせていただきます。
1点目は、電子決済を活用した利便性向上について伺います。
パソコンだけでなく、スマートフォンなどを含む全てのインターネット環境が進んでいる中、23区においては9区でさまざまな払い込みサービスをネットから可能にしております。目黒区、葛飾区においては特別区民税、軽自動車税、各種電子申請に係る手数料、中央区、中野区においては各種電子申請に係る手数料にマルチペイメントのペイジーを活用した取り組みが開始されております。隣の荒川区と墨田区においては、公共施設の使用料について電子決済が可能となっております。
そこで、台東区を見ると、申請の電子化は大変進んでおりますが、申請に伴う手数料または使用料は口座振替、コンビニ払いか現金を窓口に持参する運用となっております。また、集会施設や体育施設等の予約を行う公共施設予約システムは、平成13年に利便性向上を目的に構築されました。しかし、その公共施設予約システムが一部生かされていないのが現状です。
具体的な例を挙げると、台東リバーサイドスポーツセンターの予約はネットからできますが、使用料等は台東リバーサイドスポーツセンターまで事前に現金を持参しなければならないという状況となっております。区民館や生涯学習センターなどの区の施設についても、ほぼ同様のフローとなっております。
昨年の決算特別委員会の中で電子決済の話が出た際、初期費用と手数料の2つの課題があると所管から答弁されておりましたが、初期費用についてはさまざまな企業が参画されてきている近年、一からシステムを構築する必要がないパッケージシステムの導入も可能となっており、初期費用は抑えられると思われます。また、手数料についても以前は一律でしたが、最近はここについては交渉次第で利率の設定ができるというふうに伺っております。その他、決済手段についてはペイジーのほか、最近ではビットコインなども出てきており、カードも既存のクレジットカードだけでなく、SuicaやPASMOといった交通系カードも出てきております。特にクレジットカードは利用金額に応じてポイントがつくために、利用率も伸びております。
インターネット環境が整備され、区民の約9割が使っている今だからこそ、電子決済を活用し、まずは公共施設について区民の皆さんの決済方法の拡充を行い、利便性向上をするべきと考えますが、区長の所見をお伺いいたします。
(委員長退席、副委員長着席)
○副委員長 区長。
◎服部征夫 区長 青鹿委員のご質問にお答えいたします。
公共施設の使用料等の支払いについては、クレジットカードなどの電子決済を導入することにより、区民の利便性が向上すると認識をしています。現在、導入している自治体では、公共施設予約システムの利用者の約2割が電子決済を利用しており、その需要は年々高まっております。導入に当たっては、手数料や運用面におけるさまざまな課題がありますが、今後、その課題の解決に向けて検討してまいります。
○副委員長 青鹿委員。
◆青鹿公男 委員 積極的なご答弁ありがとうございました。電子決済と言えば、区民のニーズに応え、平成28年1月のぐるーりめぐりんの運行からSuicaとPASMO、こちらの乗車運賃の支払いで利用が可能になっております。こちらは、伺ったところによると、現在は4割近い方がそれを利用しているというふうに伺っております。
また、国民健康保険については、今まで印鑑を用いて行っていた口座振替にかかわる申請を電子的に行えるペイジー口座振替サービスというのを、26年7月から開始されておりまして、こちらについても新規の口座振替のお客様については3割近い区民の皆さんがご利用されていると伺っております。
ぜひ電子決済を公共施設だけでなく、今お話しいただきました幅広くご導入をいただきまして、区民の利便性向上をぜひよろしくお願いをいたします。