今後のバリアフリー対応について

7番(青鹿公男 さん) つなぐプロジェクトの青鹿公男です。ほぼ毎定例会、質問の機会をいただける会派の皆様に感謝を申し上げ、本日は3点ご質問をさせていただきます。
1点目は、今後のバリアフリー対応についてです。
今国会において、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆるバリアフリー法の改正が可決成立し、5月25日に公布をされました。閣議決定時には、今後エレベーター等のハード対策に加え、駅員による旅客の介助や職員研修等のソフト対策の提示やKPI、重要業績評価指標として、利用者1日3,000人以上の旅客施設の段差解消率を2020年度までに約100%の設定をするとの報道もございました。
台東区も、高齢者、障害者、子育て中の方や外国の方など全ての人々が安心して暮らし、そして訪れていただけるまちを目指し、区内全域の各施設や道路等のバリアフリー化を推進してきました。多機能トイレの設置や和便器の洋式化、階段に関しては踏み台の先端の色を強調し、段を識別しやすくするように配慮するなど、区内のバリアフリー整備は着々と進んでおります。
そんな中、区内を見て回ると、対応がまだ十分ではない箇所が幾つかございます。例えば上野駅の北側で下谷、北上野から公園に渡る両大師橋についてです。車椅子の方や障害をお持ちの方が上野公園に行きたいが、あの坂を上れないということで行くのを断念した、あそこにエレベーターとかを設置できないかという話もよく地元で伺います。また、長いS字の道路や南側にある直線で3段になっている歩道につきましても、自転車を押して汗だくで上っている方もよく見かけます。上野公園は、松が谷、北上野、千束方面の住民の皆さんにとっても重要な広域避難場所にもなっており、災害発災時はたどり着けるかどうかが重要になります。
2点目は、昭和通りと言問通りの交わる入谷交差点についてです。
入谷の交差点では、一部に横断歩道がなく、歩道橋を上るのがつらい歩行者や自転車利用者などは、横断歩道を使って遠回りをしているのを見かけます。信号が青に変わる待ち時間を測定したところ、言問通りの歩道が1分17秒、昭和通りが59秒となっており、全体で渡り切るのに約3分以上待ち時間がかかる現状となっておりました。地元の皆様からは、上野ペデストリアンデッキのようにエレベーターを設置した歩道橋にして、いろいろな人が行きやすくしたいという要望も伺います。
区内におけるバリアフリーでの課題解決に終わりはございません。現在の台東区バリアフリー基本構想は、平成23年度と24年度に策定されたものであり、策定当時からは区内の環境も変化し、必要となるバリアフリーへのニーズも変わってきております。バリアフリー基本構想の目標年次である平成32年度には、事業の進捗に対する評価を行い、事業計画の見直しや新たな施策を実施する必要があると考えます。
また、ホームドアなどの新たな技術開発なども進んでおり、さらに先駆的な一例を挙げれば、JALは音のバリアフリーを目指し、耳の不自由な方にも聞こえるミライスピーカーというのを導入すると報道がございました。改正されたバリアフリー法の内容を踏まえると、今後の新たなバリアフリー基本構想の方向性を考える時期に来ているのではないでしょうか。今こそさらなるバリアフリー施策を一層躍進するチャンスであると考えます。見直しの時期に来ているバリアフリー基本構想について、区長の所見をお伺いいたします。