教育環境のさらなる推進について
(学校のホームページ更新等)

教育環境のさらなる推進について3点ご質問いたします。

 学校は、台東区の将来を担う子供たちの健やかな成長と自己実現を目指して学習活動を行うところであり、その基盤として安全で安心な環境が確保されているのが必要だと思われます。台東区を見ると、23区でも先駆けて区内全小学校の体育館エアコンの導入の決定や、カーペットだった教室の床をフローリングにすることなどで衛生面が向上したことなどについても、保護者の皆様や地域の方々からもお喜びの声を伺っております。 私は今まで、教育関係につきましてスクールロイヤーの導入、校庭の整備、いじめ対策、学習支援、ノロウイルスなどの感染症対策などについて一般質問をさせていただきました。学校を取り巻く環境は目まぐるしく変わってきております。学校のハード面、ソフト面について今後どのようにされていくかという視点からご質問させていただきます。

 1点目は、オープンルームについてです。小学校のオープンルームの目的は、教室周りに多目的スペースを確保し、教室と教室、または教室と多目的スペースとの間仕切り壁を取り払うことで、これまでの一斉授業以外に合同授業や集会、そしてグループ活動等の教育の広がりが期待できるなどがあります。メリットとしては、多様な学習指導の形態を展開できるほか、広々として解放感、明るさなど、よい環境の中で子供同士は他クラスとも顔見知りになり、人間関係がつくられたりするなどが考えられます。逆にデメリットとしては、オープンスペースを移動する児童が気になったり、ほかの教室の音が授業の妨げになっていると思われます。

 そんな中、今後は英語などのヒアリング、道徳の読み聞かせなど、音が大変重要な授業が教科化をされる予定となっております。子供たちの安心した授業のためには、クラスごとにパーティションをするなどの工夫が必要です。まずは現状を把握し、ニーズに合わせた教室に改善するべきだと思われますが、教育長のご所見をお伺いいたします。

 2点目は、地震速報の設置についてです。現在の学校における地震発生時の避難行動の流れは、職員室のテレビで放送後、職員が確認、校内放送にて呼びかけを行い、机の下に子供たちは避難するという形となっており、約10秒ぐらいかかっております。緊急地震速報機器を校内の放送施設に直接接続することで、職員の確認と校内放送の時間が短縮され、地震発生時の初動が何秒か早くとれるようになり、地震発生時は大変有効と思われます。

 最近の機器は地震発生に対し、P波検知とインターネット経由の緊急地震速報の2ルートを受信する機器もあり、より確実に地震の発生を警告し、地震災害を軽減できるように改善されております。大規模震災が来たときに、校内放送から直接流れる緊急地震速報によって揺れが来る前に児童の危険回避行動を促し、被害を最小限に抑えることが可能になりますので、早期に試験的にでも設置をするべきかと思いますが、教育長のご所見をお伺いいたします。

 3点目は、子供たちが伸び伸びとボール遊びができる場所についてです。ボール遊びには、指先でボールをつかむ感覚や距離感を感じ取ったり、ボールの動きを予想したりする感覚、ボールを追いかけたりすることで全身運動を行うことができるため、子供の運動神経の発達に非常に効果があるとされております。

 現在、ボール遊びができる施設は区内7カ所の公園しかございません。たなかスポーツプラザでの使用を可能にしていただきましたが、その他の公園では幼児のゴム、ビニール製などのボールを使ったキャッチボール程度の遊びを除き、原則禁止となっており、まだまだ区内においてボール遊びができる場所は少ないと思われます。現在ボール遊びができる7カ所の公園についても、地理的な偏在もあり、身近な場所でボール遊びができる環境としては十分ではございません。

 23区で一番面積が小さい台東区において、ボール遊びができる場所として新たな場所の確保は難しい現状下で、学校の校庭を一部開放し、近隣の幼稚園児を含む子供たちが伸び伸びと遊べる場所を確保するべきだと考えておりますが、教育長のご所見をお伺いいたします。

 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

 

◎教育長(矢下薫 さん) 青鹿議員の教育環境のさらなる推進についてのご質問にお答えさせていただきます。

 まず、オープンルームについてでございます。

 教育環境の整備につきましては、学校の意見を踏まえ、児童が主体的、対話的に学び、多様な学習活動に対応できるよう取り組んでいるところでございます。

 オープンルームにおける音の課題につきましても、学校から要望がある場合は、適宜対応してまいります。

 次に、地震速報機器の設置についてでございます。

 大規模な地震発災時における児童・生徒の安全確保のために、初動対応が重要であることは認識しているところでございます。近年スマートフォンやタブレットパソコンなどのICT機器が普及する中で、地震速報を受信できる防災アプリが開発されるなど、受信方法も多様化しております。そのため、地震速報機器の設置につきましては、放送設備の接続による手法や、ICT機器の活用とともに、機器の試験的な設置も含めて検討してまいります。

 次に、ボール遊びができる場所の提供についてでございます。

 学校を活用した子供たちが遊べる場所の確保につきましては、子供たちの健全な育成のためには大切なことでありますので、引き続き検討してまいります。

 

 また、場所の確保に当たっては、学校行事や地域活動との調整、防犯対策、安全面、管理面などの課題があることも認識しているところでございます。