総合健康診査の受診率向上について

令和元年の台東区保健所事業概要によれば、区民の死亡原因の第1位は悪性新生物いわゆるガンであり、心筋梗塞などの心疾患、肺炎、脳血管疾患の順となっています。それら疾患への対策として、区では、生活習慣病等の予防、早期発見、早期治療を図るために、がん検診や健康診断、予防接種や普及啓発、運動習慣を身に着けるための取り組みなど、様々な事業をおこなっており、評価しています。
 
人生100年時代という言葉が一般化されるようになってきました。
「何歳になっても自分らしい生き方を選択できる時代」そういう未来が、近い将来必ずやってくる。
実現に向けて、私も頑張っていきたいと思っていますが。
この未来像を実現するためには、「生涯に渡って健康であること」がセットとなります。
そのためにも、健康状態の定期的な振り返り、病気の予防の機会として、「健康診断」が、最も重要であると考えます。
 
区では、40歳以下の方には、区民検診を。40歳以上の方については、総合健康診査を実施していますが。
総合健康診査の受診率は、過去5年みても微増はありますがほぼ横ばいとなっており。後期高齢者医療保険の方は、52.5%と超えていますが、国民健康保険の方は、41%、生活保護受給者については、26.1%、であり、決して満足できる数値ではありません。
特に、国民健康保険の方の受診率でいえば。40代は約28%。50歳から54歳までが約32%。55歳から59歳までは約38%と、年齢が低くなるほど、診断を受ける人の割合が下がっているという課題があります。
 
そんな中2018年に埼玉県の加須市では、AIを活用し、過去5年間の特定健診の受診状況を基に、未受診者が受診行動を起こす可能性を数値化。勧奨対象者の心理特性を分析、4タイプに分類し、対象者ごとにタイプ別に受診を促す4種類のメッセージを用いて特定健診の受診を呼びかけ成果をだしている事例もあります。
 
私もサラリーマン時代には、年度末に健康診断受診にいくように上司に怒られて検診にいったのを覚えております。事業所ごとに受診率が公表され、目標達成しなかった事業所には改善指示がでるような運用だったと思います。しかし、台東区内では同じように事業所単位に見える化は難しいですが、例えば町会単位もしくは、町会連合単位に受診率を定期的に公表し、受診率が向上した団体は表彰するなどして、健康診断にいく機運醸成する新たな試みなどもいかがでしょうか?
 
また、携帯電話の普及に伴い固定電話を持たない方が増えている中、携帯電話へ直接メッセージを送信する手法も活用すべきです。例えば、現在のハガキに加えて開封率が高いショートメッセージで受診勧奨をするなど、新たな取り組みも必要かと考えます。
 
区民の健康管理だけでなく、増大する医療費の増大を抑止するためにも他行政でおこなわれている成功事例をとりいれ、今以上に検診の受診率向上をめざすべきかと考えますが区長の所見をお伺いいたします。
ANS
台東区内の健康診査は、一箇所に集めての検診ではなく、区内の協力医療機関、つまり近隣の病院でも受診できるような改善を進めてきていますが、さらに、台東区内の調剤薬局でも周辺医療機関の特定検診の受け入れ態勢を把握し、受診勧奨にチャレンジいただき受診率向上につなげていただきたいと要望させていただきます。