台東区における中高層建築物及び集合住宅建築にかかわる紛争の予防について

台東区内はマンションラッシュといわれるぐらい、区内至る所で中高層マンションの建築が続いております。平成31年3月に発表された台東区マンション実態調査報告書によると、分譲マンション 1,861 棟、賃貸マンション 2,622 棟で、マンション棟数は 4,483 棟もあり、2020年のオリンピックパラリンピックに関係なく、その後も次々と建築されることがわかります。
 
中高層建築物の建築は、近隣関係住民と建築主との間に紛争が発生する場合があり、その対応策として、台東区では、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づいて、建築計画の事前公開と紛争の未然防止に努めています。 
この条例では、これらの紛争を未然に防止するため、建築主に「建築計画のお知らせ」の標識設置を義務づけており、近隣関係住民の方に建築計画の概要や影響と対策について、事前に説明するよう求めており、建築計画の標識の設置に始まり、近隣住民への説明会の実施など細かく記載があります。
 
しかし、現行条例の盲点をつくような事業者もでてきており、住民との間で、紛争となるケースが出てきています。
例えば、説明会は、近隣住民からの要望によって開催となっているので。事業者は、できるだけ説明会の開催にいたらないように、戸別訪問での面談を避け資料の投函ですませてしまうような手段を講じているケースもあり。その結果、説明会が回避されてしまうような悪質なケースも見受けられます。この条例上では、町会団体等への加入については、「協議の上」とあるので。説明会が開催されず協議する場がなければ、結果的に、台東区の運営において重要な町会に加入しない方が増えてしまう、という事態が起こっています。改善が必要なのではないでしょうか。
 
また、台東区内の行事が多いことを事前に十分理解する手段が必要です。区内に新しくできるマンションやホテルの宿泊者への理解がないままになると、ラジオ体操や祭礼、盆踊り、運動会などの学校行事の音についても、クレームが多発する可能性は十分あり、台東区のいい文化が守れなくなるかもしれません。
 
さらに、解体工事も大きな課題となっています。
解体に伴う紛争も増えています。解体に伴う騒音や粉じん、さらに放置されて土がむき出しでそこに草が生い茂り、夏にはにおいや虫が発生して近隣住民が苦労されているケースなどが、要因です。所管から事業者に指導する対応をされていますが、解体についても建築とわけるのではなく、条例の中で、建築工事と一体として取り扱うことで、建築紛争の防止が進むと考えています。
 
台東区は、これからもさらに建築ラッシュが続くと予想されます。
区内でも諸課題が様々出ている中、どのような認識をされ今後どのように対応をされていくのか区長の所見をお伺いいたします。以上が質問ですが、私は、建築に伴う紛争問題を解体から建築までの一連で捉え、建築紛争の予防と調整の条例を強化し、条例の中で解体から建築まで一貫した詳細事項を明記し、建築業者に守っていただくようにするべきだと考えております。