体育館への無線LAN環境整備について

台東区の小中学校におけるICTの推進について、令和3年1月に全生徒に一人一台の端末が配備され、これに伴い、校内ネットワークも新たに構築されました。稼働当初は、端末については、ハード面でいくつか不具合はあったものの、無線LAN環境は、安定して運用されていたと認識しております。

タブレットが導入されて以来、各学校では、各教科において、積極的に活用されていると思いますが。

特に、ヒアリングなどに活用できる英語や、実験などを検証しやすい理科

といった教科だけでなく、体育においても、器械運動や、走りなどの動作ついて、相互で撮影した後に、繰り返し動きをみて確認することで大変利用効果が高い、とされています。

平成25年の区民文教委員会でICT活用の先進事例を視察にいった際も、

視察したのは体育の授業だったと伺っております。また、体育館は、体育の

授業での活用だけでなく、発表会や研究会などにも使われる機会が多く、

さらに、体育館にて学年全体で端末を使用した授業を行いたいなどの要望などもでています。

そこで、決算特別委員会の中で、体育館の無線LAN環境について確認した

ところ、ほとんど学校の体育館には無線LAN環境はなく、体育館で何かする

場合は、ポケットwifi端末を持ち込んで対応していると伺いました。

ポケットwifi端末は、携帯電話の回線を利用していることもあり、動画の視聴やオンライン授業の際には、通信容量いわゆるギガ数の制限が気になるところです。

別な面で、地震や台風などの大規模な災害が発生すると携帯電話網が影響を受け、つながりにくくなることがあります。こうした時に、公共施設や学校、駅、コンビニや商業施設など、人の集まる場所で提供されている Wi-Fiスポットを、契約者以外にも無料開放し、安否確認や情報収集に役立ててもらおうというのが、国が災害発生時のみに開放する「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」です。こちらは、緊急時に、「00000JAPAN」という統一のSSIDで、キャリアの垣根を越えて公衆無線LANを無料解放しようという取り組みであり、パスワード不要で利用可能です。ただし、災害発生時のみ開放されるため、平時では利用できません。

平成284月に発生した「熊本地震」では、大手通信事業者の協力を得て、「00000JAPAN」を商用環境で初めて提供し、災害時において、通信各社が自社の公衆無線LANを無料開放する世界初の試みとして注目を集め、その

有効性と共に、災害時における公衆無線LANの無料開放の取組みの更なる拡大が必要であることが確認されました。
台東区では、学校のネットワークを構築する際、これらを見越して、災害時に学習系LANで「00000JAPAN」による無料公衆無線LANを提供できる機能を用意しています。当然のことながら情報セキュリティ対策も考えられており、「00000JAPAN」 利用者が学習系LANで利用している児童・生徒の情報にアクセスできないようにもなっています。つまり、平時は、学校の授業で安全に

利用ができ、災害発生時には、災害用の無線LANとして切り替えて利用できるような仕組みが整っているのが学習系LANになります。

ところが、避難所で一番人が集まる体育館には、学習系LANのアクセスポイントが無いため、体育館では、災害時に使用できない状態となっています。

通信料の制限もなく、高品質でかつセキュリティ対策も行われた学習系LANを利用しない手はありません。

これからは、体育館だけでなく校庭などでもタブレット端末の活用シーンが増えてくると思われますが、まずは、ICT教育においても新たな活用の場となり、

災害時には、多くの方が集まる避難所にもなる体育館にアクセスポイントを

 

設置し、無線LAN環境を早期に整備するべきだと思いますが教育長の所見をお伺いいたします。