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ウミネコ問題について
近年、台東区の南部エリアを中心にウミネコが問題になっています。なぜウミネコが南部に、と思い調べてみると。
東京都環境局のHPによれば、都立恩賜上野動物園が1990年と1994年に、保護個体を放鳥。不忍池で細々と繁殖していた所、2013年に周辺ビル屋上で営巣が確認されると爆発的に増加し、台東区・墨田区・江東区・中央区に繁殖地が拡大したとの記載があり、各地で小集団に分かれコロニーを形成しているようです。
ウミネコ問題の個体群は、ビル屋上での繁殖に成功した内陸集団が拡散したという特徴を持っており、海鳥であるウミネコは、隅田川や東京湾の魚を餌にしていて、より餌場に近いところに営巣場所を移してきたと考えられます。
ウミネコの被害としては、一般に糞害と鳴き声があります。ビル屋上に営巣(えいそう)し、昼夜を問わずミャーミャーと響く鳴き声や、大量の糞などの被害が5月~8月の繁殖期に報告されていて、台東区の所管にきている相談件数も、令和4年度は109件、今年はさらに増えていると実感しています。
住民の方からも、どうにかならないかという相談が増えてきておりますが、ウミネコは、鳥獣保護管理法の保護下にあり、無許可でウミネコを捕まえたり、卵や雛を排除する行為は鳥獣保護管理法に抵触し違法行為となりますので、巣ができてしまってからでは対応することが難しい案件であります。東京都の対応として。令和4年4月より、23区内では本来の営巣環境ではない人口構造物(ビルなど)上での繁殖により、生活環境被害が発生した場合に限り、捕獲許可を持った事業者が、ウミネコの雛・卵を捕獲することができるようになったようですが。
「留意種」となっていることからも、「更なる被害の回避や低減を目的として、個体数への影響を十分配慮しつつ、卵又は雛のみに限定する」となっていて。鳥獣保護管理法により捕獲を行うハードルは決して低くはありません。
また、営巣されたマンションの管理者との調整も必要であり。例えば、ウミネコの巣のある場所が、近隣住民がわかっているにもかかわらず、マンションのオーナーがわからない、外国人所有で連絡がつかないという課題もあります。
台東区では、飛来時期に先立ち、2~3月に前年相談が寄せられた地域の建物の所有者・管理者に対して、営巣防止のための注意喚起のチラシ「ウミネコの営巣を防ぎましょう」を作成し、南部を中心に配布し、啓発活動をされているのは理解しております。しかし、ウミネコの被害によって、悩んでいる区民が多いのが実情です。
現時点でのウミネコ対策としては、巣を作らせないことが重要でありますが。
台東区では、緑ゆたかなまちづくりをすすめる「台東区みどりの条例」において、“敷地面積が300平方メートルを超える建築物については、建築面積の20%以上の屋上や壁面などに緑地を設ける事と定めており、昨今のマンション建設ラッシュで、適正に管理されていない屋上緑化は、ウミネコにとっては巣をつくりやすくなっています。さらに、台東区の民間施設緑化助成金制度では1000㎡以下の建物についても助成金をだしています。こちらに助成金制度の際には、ウミネコ対策について、より一層の注意喚起をすべきと思います。
東京都は被害がでているエリアが限定されていることもあり、本腰になっていないようですが、被害のエリアは間違いなく、北側にも拡大しています。今年の夏は、春日通の近辺でしたが、来年は、浅草通り、言問通りまで被害がでると予測されます。
現在は、定期的に屋上の排水溝や吹き溜まりの清掃に加え、防除網の設置、屋上の縁にテグス(釣糸)を張る、定期的な巡回などが対策としてあげられますが、区民の皆さんはまだまだ不安を頂いています。
区民が糞害や睡眠を妨げられているウミネコ問題について、来年の5月~8月の巣の拡大が予想される中、繁殖期を前に今から打てる手をうつべきだと考えますが区長の所見をお伺いさせていただきます。