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街づくり協定と専門家相談制度導入について
先日、一般財団法人世田谷トラストまちづくりに赴き、世田谷区の街づくり条例に関する先進的な取り組みについて、さまざまな話を伺いました。その中で特に注目すべき点が2つございましたので、これを取り上げ、台東区における課題と照らし合わせて提案したいと思います。 まず、1点目は「区民街づくり協定」についてです。 世田谷区では、区民や町会が自らの地域で定めた街づくりのルールを「区民街づくり協定」として、区に提出できる制度が存在し、区はこれを登録、そして広く公表することで、建築事業者にもそのルールを周知させる仕組みを整えています。一方、台東区においては、令和4年に「谷中地区景観形成ガイドライン」を策定し、街並みや建築物の形態、色彩について、谷中における地域ごとの住民や事業者とその考え方を共有する動きがありました。しかしながら、その後、他の地域においてガイドラインが策定されていないように見受けられます。 そんな中、千束二丁目西町会では独自に「地域のきまり」を作り、建築事業者の説明会等でそれを活用し、一定の効果を上げています。このような取り組みが既に地域レベルで行われている現状を鑑みれば、台東区としても、こうした住民発信の街づくりルールを支援し、広く周知できる仕組みを構築すべきと考えますが。区長の所見をお伺いいたします。
2点目は、世田谷区の「街づくり専門家への相談制度」についてです。 この制度では、建築構想段階での建築事業者による説明会の後、住民が1週間以内にトラストがかかえている街づくり専門家に疑問や意見を相談できる機会が提供され、必要に応じて、区が意見交換会を調整することが可能となっており、中立な立場の専門家の調整のもと、建築事業者と住民が合意形成に向けて話し合う場を設ける仕組みが整っています。これに対して、台東区の現状を見ますと、現在進められている街づくり協議会には専門家(まちづくり相談員)を派遣していますが、中高層建物の住民説明会については派遣されていません。現在区内では、説明会が開催されない場合や、開催されても一方的な説明に終始し、住民の意見が反映されないまま工事が開始されるケースが増えているように思われます。また、中高層ビル建築に伴うトラブルは依然として多く、特に
建築を起因として、既存住民と新住民との間で溝が生じるのは極めて憂慮すべき事態です。さらに、これらの説明会に近隣住民に加え町会役員が頻繁に出席する状況が続いており、その負担が増加していることも看過できません。 決算委員会での報告によると、台東区の解体工事件数は、令和4年度409件、令和5年度444件、建築調整における標識設置件数は、令和4年度214件、令和5年度221件と増加しているとのことで、今後もその傾向は続くと予測されます。これらの状況を踏まえれば、専門家への相談制度の整備を急ぐべきではないでしょうか。これにより、近隣住民にとっても、新たに移り住む方々にとっても、納得のいく街づくりが実現できるのではないかと考えます。区長、この点についてどのようにお考えでしょうか。区長の所見をお伺いいたします。