〇区有施設の安全対策について

現在、浅草や上野、谷中をはじめ区内の様々な地域に、国内外から多くの来街者が訪れております。そうした中で、

区民はもとより来街者の方々にとっても、区の施設をトイレ利用や涼み処として気軽に利用できる環境が整えられて

きていることは、本区の大きな魅力であり、大変意義深いものであります。

区民や来街者を分け隔てなく受け入れる「開かれた区有施設」であることは重要ですが、その信頼を確かなものにする

ためには、女王。女心の確保が不可欠です。特に近年の来街者の増加、とりわけインバウンドの急増は我々の想定を

超えており、当初の設計や利用を前提とした施設状況と、現実の利用実態との間に乖離が生じているのではないでしよう

か。加えて、本区でも新しい住民が増加し、地域における顔見知りの関係が希薄になりつつあることも、安全対策を強化

すべき一因となっていて、例えば、観光地の中心に位置する雷門地区センターは昭和51年に開設されましたが、建設当時

には想定されていなかった多くの外国人観光客がトイレ利用を中心に訪れる状況となっています。

まちづくり協議会でも「トイレ・喫煙所研究部会」として雷門地区センターの整備。活用について議論がなされており、

観光対応の必要性が共有されているところです。しかしながら現状では、急増する利用者に対応する機器導入が十分で

ないという課題があります。

もちろん各施設においては、職員による来館者の目視確認や定期的な館内見回りなど、運営努力による安全対策が行

われていることと思います。しかし、想定を超える利用者数を前に、万が一の事故やトラブルを未然に防ぐためには、

防犯カメラの整備に加え、人感センサーや10T機器、さらにはAlを活用した異常行動検知など、最新技術による補完的

な対策を講じておくことが重要です。

本区においてはこれまでも、商店街や各個店に対して防犯カメラ設置費・用を助成するなど、区民と行政が一体と

なった安全対策を積み重ねてきました。その結果、令和6年時点で町会・商店街に1 , 067台、区立公園内に55台、

通学路に77台、合計1 , 199台もの防犯カメラが整備され、犯罪抑止や迷惑行為の防止に一定の成果を上げております。

さらに不法投彙ごみの抑止にも効果を発揮し、清潔で快適なまちづくりにも寄与しています。こうした実績は、

区が積極的に安全施策を進めてきた証であります。

全国の先進事例を見ても、安全対策は単なる機器設置にとどまらず進化を続けています。兵庫県加古川市では通学路や

公園に約1 , 500台のAl機能付き見守りカメラを設置し、犯罪認知件数が設置前から約40 %減少しました。

神奈川県相模原市では地域集会所や学校、福祉施設など既存施設の特性に応じて屋内録画機器と屋外独立柱を組み

合わせる柔軟な手法を採用し、効率的な安全対策を実現しています。さらに兵庫県三宮地域ではAlカメラで人の滞留状況

をリアルタイムに計測し、一定数を超えると警告を発する仕組みを導入するなど、犯罪や迷惑行為の抑止につなげて

います。

これらの事例は、ICTAl10Tの活用によって「安全対策」が従来の受動的な監視から「行動変容を促す積極的な仕組

み」と進化していることを示しています。本区においても、歴史と文化を大切にしながら、最新技術を積極的に取り入れ

た安全対策を柔軟に講じていくことが求められています。今後は、防犯カメラの整備に加えて、施設の特性や利用状況

に応じた監視カメラの導入も視野に人れる時がくるかもしれません。監視カメラは単に犯罪抑止にとどまらず、人流

の把握や混雑緩和、さらには災害時の避難誘導にも有効であり、本区における安全対策の幅をさらに広げる可能性を

秘めています。

施設改修は計画的に進められておりますが、建設当初の設備状況のまま利用されている施設も 少なく ありません。

来街者の増加や新住民の増加と地域関係の変化といった環境変化を正しく受け止め、施設整備とあわせて安全対策の

現代化を進めることは、区民と来街者双方に安心を提供するうえで不可欠であり、ひいては観光都市としてのブランド

カ向上にもつながるものと考えます。

 

そこで区長に伺います。来街者の増加や利用実態の変化、新住民の増加による地域の顔の見えにくさといった課題を

踏まえ、区有施設における安全対策について、現状をどのように認識され、今後どのような方向性で取り組んで

いかれるのか、 ご所見をお聞かせください。

プロフィール

青鹿公男(あおしかくにお)
のプロフィールをご紹介します。

ご意見はこちらへ

ご意見はこちらへ

お問合せはお気軽に

03-4500-0304

メールでのお問合せは24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。