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〇観光都市・台東区における受益と負担の適正化と、持続可能な観光政策の構築について
台東区は、浅草・上野を中心に、国内外から多くの観光客を迎える、日本有数の観光都市であります。観光は区の経済を支える重要な基盤である一方で、その裏側では、ゴミ処理、環境美化、マナー指導、警備体制の強化など、行政サービスにかかる負担が年々増加していることも事実であります。
これらの対応には、多額の財政支出と人的資源が投入されており、その多くは区民の税負担によって支えられています。観光による利益は一部の地域に集中する一方で、負担は区全体で引き受ける状況となっていて。この構造が将来にわたって持続可能なのか、今まさに問い直す時期に来ていると考えます。
令和8年度の予算額をみますと、文化産業観光部の観光振興と考えられる関連事業においては、「観光客の受入環境づくり」「浅草文化観光センター運営」事業等で、約2億5800万円、14事業の予算が計上されております。
しかし、観光都市としてかかるコストは、これがすべてではありません。例えば、清掃・生活安全・災害対策など様々な所管が実施している事業にも影響を齎しており。今後の政策判断の基礎として、全体像の整理・把握が重要になってくると考えます。影響額も含めた観光に伴う全体コストの実態を把握しなければ、効果的な施策立案や財源確保の議論も進めにくい状況にあります。
全国に目を向けますと、京都市における宿泊税の活用に加え、金沢市や鎌倉市においては、観光客から任意で協力金を募り、その収入を清掃、トイレ整備、混雑対策、案内体制の充実など、観光地の環境維持や地域生活の保全に充てる取り組みが進められております。これらは、観光によって生じる負担を「見える化」し、来訪者と地域がともに支える仕組みとして機能している点が特徴であります。
こうした取り組みは、観光による負担を行政、すなわち区民の税負担だけで賄うのではなく、来訪者にも一定の役割を担ってもらうという考え方に基づくものであり、本区においても参考とすべき重要な視点であると考えます。
また、個別事業者に視点を移しますと、観光地に限らず区内全域で外国人観光客が増加することで、店頭の清掃対応、多言語対応システムの導入、SNS運用など、さまざまな追加コストが発生しています。それに伴い、販売価格が上昇し、近隣区民が気軽に利用しづらい状況も生まれております。
そのため、一部の事業者においては、価格設定の工夫や区民向け優遇策など、独自に観光と地域住民とのバランスを意識した新たな取り組みを検討しています。しかし、設備更新の負担や、ノウハウ不足もあり、資本力の小さな事業者ほど一歩を踏み出しにくい状況にあります。
こうした状況を踏まえ、区としては、観光による経済効果を最大化しつつ、地域生活への負担を抑え、事業者の挑戦を後押しする総合的な政策が求められていると考えます。
そこで、区長にお伺いいたします。
第一に、観光による負担と受益の適正化に向け、区として歳入確保を戦略的に進める必要があると考えます。東京都への宿泊税等の活用について、区として働きかけを行っていると認識しておりますが、現在どのような状況にあるのか、区長の見解を伺います。
第二に、意欲ある事業者が新たな挑戦に取り組めるよう、デジタル基盤整備や専門家相談をふくめ、継続的かつ実効性のある支援を進めていく意思はあるのか、お伺いいたします。
観光都市として発展を続けるためには、「来ていただく」だけでなく、「地域と共存する仕組み」を構築することが不可欠であります。区民の理解と協力を得ながら、台東区ならではの持続可能な観光モデルを構築していくため、区長の明確な方針と責任ある答弁を求めます。